横浜市西区のはまっこ税理士が解説する動画セミナー【Vol.010】

中小企業における役員報酬、役員退職金の決め方

横浜市西区で税理士事務所を開業しております。税理士の甲田勝久と申します。

中小企業の経営者の皆様、創業希望の皆様のお役に立つ経営情報をお伝えしております。

今日は、節税の中でも重要度の高い役員報酬、役員退職金についてお話いたします。

所得税法では、社長へ支払う役員報酬は社員の給料と同じように給与所得に分類されます。

ですから、社長への役員報酬を高くすれば、その分会社の利益が減るので会社の節税になります。

では、社長の役員報酬を上げられるだけあげればよいかというと、オーナー経営者の場合、話はそう単純ではありません。

中小企業の経営者である社長の役員報酬を高くすると損をすることがあるからです。

会社の利益には、法人税や住民税が課され、社長の報酬には、所得税や住民税が課税されます。

社長の役員報酬を引き上げ、会社に利益が全く残らなければ、会社は法人税等を納める必要はありません。

しかし、個人の所得が増えると、当然、社長個人の所得税や住民税が増えることになります。

一方で、会社の利益を大きくしようと考えれば、社長の役員報酬は少ない方がよいということになります。

会社の利益に掛かる法人税等と個人の所得に掛かる所得税、住民税、さらには健康保険料や厚生年金保険料など、社会保険料の負担分などもすべて勘案して、会社の利益と社長の役員報酬のバランスを考えなければなりません。

一般的に家賃収入などの他の副収入がなければ、月額150万円程度までは役員報酬で払った方が節税になると言われています。

また、月々の役員報酬を減らして、役員退職金という形で受け取ると、退職金は所得税法上、極めて優遇されているため、トータルで社長の手取り額を増やすことができます。

以上のように、役員報酬や役員退職金の決定は様々な判断を必要としますので、慎重に判断していただきたいと思います。