この言葉を聞いて、耳を疑った起業家や経営者の方は多いことでしょう。
みなさんは「日本政策金融公庫」をご存じでしょうか?
日本政策金融公庫は、政府の100%出資で設立されている中小企業向けの金融機関です。
この日本政策金融公庫には「新創業融資制度」というものがあり、無担保、無保証人で最大1,500万円まで創業資金の融資を受けることができます。
創業前から借りられる
1ヶ月程度で借りられる
大企業並みの低金利で借りられる
他の金融機関から信頼が得られる
しかし、会社を立ち上げて1〜2年というのは初期投資がかさみ、売上も安定的に計上するのが難しいため、思うように利益が出ないのが実情です。
そのような状況で金融機関に融資を求めても、決算書を見た段階で創業期の不安定な状態で会社の財務内容を評価されてしまい、希望額の融資を受ける事が難しいです。
普通の感覚では実績のない創業期にはお金を借りづらいと感じますが、日本政策金融公庫に至っては、民間の金融機関とは違って、実績がない創業時が一番借りやすいのです。
日本政策金融公庫には基本理念として、「国の政策の下、民間金融機関の補完を旨としつつ、社会のニーズに対応して、政策金融を実施する」という基本理念があります。
ですので、政府の方針である新規創業を支援する政策をバックアップする経営方針に従って、実績のない創業者に対しても一定の要件と審査さえクリアすれば積極的に融資を行ってくれるのです。
自治体や民間の金融機関の場合、申し込みから融資が実行されるまでにおおよそ2ヶ月半ほどかかりますので、新創業融資制度の場合は、それよりも1ヶ月以上も早く事業展開が行えます。
日本政策金融公庫では基準金利を定めており、事業金利は原則としてこの基準金利で貸し出されます。
新創業融資制度の場合は「基準金利 + 1.2%」の利率が設定されており、例えば基準金利が2.4%であれば、3.6%が貸し出し金利となります。
基準金利がプライムレート(金融機関が優良企業に対して長期で貸し出す際の金利水準)であるため、大企業並みの低金利が設定されるのです。
まだ創業間もない、あるいはまだ創業していない世間的にはまだ信用を得られていない実績のない会社が、信用も実績も申し分ない大企業とほぼ同水準の金利で融資を受けることができるのです。
今後の事業拡大に際し、資金調達が必要になったとき、その築き上げてきた実績のおかげで金融機関からの融資が受けやすくなるのです。
このように「新創業融資制度」は無担保・無保証人で融資を受けられるだけでなく、様々なメリットがあります。
従来の感覚からすると非常識とも思える制度ですが、知っている起業家はどんどんこの制度を活用して事業を優位にスタートさせています。
先に述べたように、新創業融資制度は、新たに事業を始める方や事業を開始して間もない方に無担保・無保証人で利用できる制度です。
日本政策金融公庫が公開している新創業融資制度の概要は以下の通りです。
※2013年9月末時点
新創業融資制度を利用するためには、次の3つの要件を満たさなければなりません。
この要件を満たしていないと、申請(申し込み)さえも受け付けてもらえないので、しっかりと押さえておきましょう。
@創業の要件
新たに事業をはじめる方、または会社を創業してから2期が経過していないこと
A雇用創出、経済活性化、勤務経験または修得技能の要件
「雇用を生み出す事業を行う」、「経済活性化に貢献できる事業を行う」、「勤務経験や業務について十分な技能を習得している」などいずれかに該当していること
B自己資金の要件
事業のスタート時に必要な金額のうち、3分の1以上を自分で用意できること
これからお話するのは、審査を通過するためのポイントです。
このポイントは、1.自己資金、2.業種経験、3.事業計画の3つがあり、ここを押さえておけば融資してもらえる可能性がぐっと高まります。
例えば自己資金がゼロなのに融資をお願いしてもまず審査に通りません。
また、借りたい金額が自己資金の2倍以上という場合でも、無担保・無保証の場合は審査に通るのは難しいでしょう。
真剣に起業を考えているのであれば、自分で一生懸命お金を貯めているはずです。
そのお金をリスクにさらす覚悟があるならば、より一層事業を頑張るだろうとお金を貸す側も考える訳です。
創業時の自己資金の大小によって、その人の本気度が証明されると言っても過言ではないでしょう。
間違っても一時的に消費者金融などで借りるなど、融資を受けるためにその場しのぎのお金を自己資金とすることはやめましょう。
日本政策金融公庫では、審査において自己資金は「返済不要のお金」と定義しているからです。
これから創業するわけですから、その事業について経営の経験を問われているわけではありません。
サラリーマン時代に従業員として、その業種に従事していたということが重要になります。
従業員としてでもその業種に通じているのと未経験者とでは、お金を貸す側の安心感がぜんぜん違います。
とはいうものの、これから創業するのですから決算書も試算表も何もありませんし、これから税理士を探すという人も多いことでしょう。
税理士に事業計画書作成の相談やアドバイスを求めることは有効な手段といえますが、まずはご自分で手を動かして作成してみることをおすすめします。
「運転資金は思った以上にお金が掛かるな。」、「人件費を抑えないと回らないな。」など事業計画書を作成して、はじめて気付かされることが多いからです。
事業計画書をご自分で作成するにせよ、税理士など専門家の助言を仰ぐにせよ、しっかりとした計画書を作りお金を貸す側を説得しなければなりません。
税理士 横浜/創業融資・資金調達は横浜市西区の甲田税理士事務所まで!