横浜市西区のはまっこ税理士が解説する動画セミナー【Vol.014】
中小規模の会社における未払金・未払費用の計上
今日は、決算時における節税対策についてお話したいと思います。
まず1つ目は、「未払金、未払費用を計上する」です。
会社の節税の基本は、やはり決算時の対策です。
会社の業績がほぼ確定する時期なので、税金の支払額も大よそ分かります。
仕入や外注費など、本業に関連して発生する経費は、金額が大きいので毎月経費で未払金として、(厳密には買掛金ですけれども)経費処理をしていると思います。
ではそれ以外の、従業員の給料や社会保険料や広告宣伝費の金額はどうでしょうか。
会計上は、未払金と未払費用は区分されますが、税務上では両者の区分はありません。
損金として認められるためには、債務が確定していることがポイントになります。
債務が確定しているかどうかは、
1.期末までに支払義務が確定していること
2.実際に期末までに発生している費用であること
3.金額を合理的に算定できること
の3つの要件を満たしている必要があります。
例えば、給料が20日締めで、支払いが月末払いの3月決算法人を例にお話いたします。
実際に3月分のお給料は、3月31日に支払われますので、この金額は当期の損金になります。
では3月21日から3月31日までの期間に対応する金額は、当期の損金になるのでしょうか。
答えは、損金になります。ではいくらが損金になるのでしょうか。
実務的には、翌月4月分のお給料を日割りで計算します。
31日割る11日、あるいは概算で3分の1にして計算します。
参考までに、金額が大きい役員報酬につきましては、この日割りで追加計上することはできませんので、処理にご注意ください。
また、法定福利費で計上している会社負担の社会保険料ですが、こちらも翌月4月に支払う金額を3月分として損金に計上することができます。
ただでさえ今後も益々増えていく社会保険料ですから、忘れずに損金経理をして、しっかりと節税してください。
中小企業の経営者の皆様、創業希望の皆様に、今後もお役に立つ経営情報をお伝えしてまいります。