オフィスビルを1億500万円(税込)で建築して月額105万円(税込)で賃貸するとします。
株式会社(資本金1千万未満)の場合、設立1期目、2期目は消費税の納税義務はありませんから、消費税の納税額は0円です。(法人税などは通常どおり発生します)
しかし、設立1期目に「消費税課税事業者選択届出書」を提出してわざわざ納税義務者になることを選択するとどうなるでしょう?
賃貸料に係る消費税5万円×12ヶ月=60万円、建築したオフィスビルに係る消費税500万円です。
60万円−500万円=▲440万円、この控除しきれない440万円の消費税額が還付されます。
ここで注意しなければならないのは、「課税事業者」を選択したら2年間は継続して適用しなければならないのです。
ですから2期目は賃貸料に係る消費税5万円×12ヶ月=60万円は発生してもオフィスビルに係る消費税はもうありませんから、そのままだと60万円を納付することになります。
ただし、事前に「消費税簡易課税選択届出書」を提出して2期目に簡易課税を選択すると60万円×5.0%=30万円の納付で済みます。(簡易課税も2年間の継続適用が要件ですから、3期目も簡易課税が適用されます)
つまり、課税事業者を選択しないと1期目、2期目の消費税の納付額は0円、選択すると▲440万円+30万円なので410万円の還付となります(図10)。
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